2012年に京都のダンサーたちと創った『RE/PLAY Dance Edit』の初演は、自分自身初めてのダンサーとのクリエーションで、身体があり、形があり、動きがあり、ダンスがあり、時間があり、観客がいる、ただそれだけのことで「まさかこんなことになるのか」と興奮し続けた毎日でした。それ以来、横浜では関東のダンサーと、そしてシンガポール、カンボジアでは現地のダンサーに日本のダンサーも加え、この作品は未知なる「まさか、こんなこと」を求めて旅を続けています。「ダンス/演劇」というボーダーから生まれたこの作品は、さらに国、地域、身体、ダンス、バックグラウンド、多様なボーダーを抱えることで変容を続けてきました。執拗に繰り返す/繰り返せない時間の中で、ダンサーたちはそれぞれの振り付けを同時に踊ります。それはソロであり、群舞であり、私たちは違うということであり、私たちが共にいることでもあります。シンガポール、カンボジアからのダンサーも共に、さらに未知なる「まさか、こんなこと」を求め、再び、京都へ。
多田淳之介