シンガポールでの現地オーディションを終えて、多田さんはソウルへ、藤井さんは帰国。きたまりとラング、岡崎とでマレーシアのダンス状況の視察のため、クアラルンプールに向かう。
滞在はわずか3日。国際交流基金クアラルンプールの谷地田未緒さんに、コンテンポラリーダンスを推進する2つの民間劇場を紹介していただいた。
ひとつは、振付家・ダンサーでもあるWong Jyh Shyong (JS)が芸術監督を務めるDamansara Performing Arts Centre(DPAC)。もうひとつは、 Kuala Lumpur Performing Arts Centre(Klpac) 。マレーシアのダンス事情や取り巻く環境など貴重な話を伺うことができた。
初日はDPACにて演劇公演を鑑賞。2日目は、新拠点10周年を迎えたKlpacで若手ダンスショーケース「CHOREOGRPHERS」を鑑賞。建物は、国有鉄道の操車場をリニューアルしたユニークなもので、504席 (固定)と190席(可動)の劇場、100席のフリースペース、9つのスタジオ、ガラス張りの作業場などを備えている。1989年に劇団としてスタートしたアクターズ・スタジオが運営している。この劇場については、以下のサイトで詳細なインタビューが紹介されている。
http://performingarts.jp/J/pre_interview/1501/1.html
公演に参加していたのは、DPACの芸術監督のJSを始め、9組。驚いたことに、シンガポールオーディションに参加し、選考された2名のダンサーがそのうちの作品で踊っていた。マレーシアとシンガポールはダンサーレベルの交流があると言う。ダンスの傾向も共通しているように感じられたのも納得である。
3日には、 DPACの芸術監督のJSとの打ち合わせと会場を見せてもらった。ダンサーであるオーナーによってつくられたこの劇場には、200席(固定)と120席(可動)の劇場、2つのスタジオを備えている。自前のレジデンスカンパニー「DPAC Dance Company (DDC)」を持ち、ダンスレッスンを始め、ダンス企画、毎年国際ダンスフェス「D'MOTION」を開催するまさにダンス拠点である。
クアラルンプールではいくつも可能性を感じつつ、次のプノンペンへと向かう。