5月2日、クアラルンプールからラングが帰国。きたまりと岡崎で、プノンペンに到着。当初予定がなかったのだが、シアターワークスのTay Tongから、ぜひ視察すべきと勧められたのが、プノンペンを拠点にコンテンポラリーダンスや演劇作品の創造と振興を手がけるNGO「アムリタ・パフォーミング・アーツ(Amrita Performing Arts)」 。「アムリタ」とはサンスクリットの「永遠」の言葉で、「どのような破壊にも屈せず継続するもの」という意味が込められており、クメール・ルージュ体制下で深刻な打撃を蒙ったカンボジアの文化を再興すべく2003年に設立。伝統を尊重しながらも、現代の視点で創作に取り組んでいる。今回はアムリタの若手振付家育成プログラムのショーケース「A Contemporary Dance Platform(コンテンポラリー・ダンス・プラットフォーム)」があるとのことで、空港から直接劇場に向かう。
大都市シンガポールやクアラルンプールとは全く異なり、プノンペン町中は舗装されていない道路に大量のトゥクトゥクやバイクが行き交う。劇場は「Department of Performing Arts」という公共ホール。夕闇が迫る頃には、どこからともなく若い観客が集まってくる。本公演には、Yon Davy、Khon Chan Sithyka、Chumvan Sodhachivyの3組が新作を発表した。
このプログラムが若手支援をうたっているのは、これが公演のみならず、そのあとに著名なダンスアーティストがフィードバックのワークショップを開催するからである。今回のゲストは、タイの振付家ピチェ・クランチェン。舞台を一緒に見て、パーティーにも合流。そこで、アムリタの創設者であるフレッド・フランバーグさん(シンガポール在住)、2014年にアムリタ初の芸術監督に就任したChey Chankethyaさん、カンボジアのコンテンポラリーダンスの創始者であるSophiline Cheam Shapiroさんに出会う。思いがけず、コアなカンボジアダンスネットワークに飛び込んだ形になった。
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