2015年9月5日土曜日

出演ダンサー、発表!

2016年2月のシンガポールでのクリエーションに向けた現地オーディションを本年4月に行い、6名のシンガポールの振付家・ダンサーを選出。国際共同制作初となる本プロジェクトのクリエーション・公演の参加メンバーを発表します。

国際共同制作『RE/PLAY(DANCE Edit.)』 シンガポール公演
日程: 2016年2月17日〜20日
会場:72-13(住所:Mohammad Sultan Road Singapore 239007)

演出:多田淳之介
振付・出演: Mario Chan、Jaenny Chandra、Elzabeth Loh、Sheriden Newman、 Mohamad Sufri b Juwahir、Ma Yanling(以上6名オーディション選出)、きたまり、今村達紀
テクニカルディレクター:ラング・クレイグヒル
照明:筆谷亮也
映像ドキュメンテーション:藤井 光
通訳:齋藤梨津子
プロデューサー:Tay Tong、岡崎松恵
共同制作:TheatreWorks(シンガポール)、NPO法人Offsite Dance Project(日本)
助成:国際交流基金アジアセンター

2015年5月10日日曜日

リサーチの旅を終えて

カンボジアのコンテンポラリーダンスの創始者であるSophiline Cheam Shapiroが運営する「Khmer Arts Theater」を訪ねた。中心部からトゥクトゥクで約30分ほどの郊外に、アンコールワットのような野外劇場が突如現れる。カンパニーの新作公演の稽古の真っ最中、生演奏をつけての稽古で、劇場に備えたスタジオなどもあり、広大な敷地の中に豊かな創造環境が存在する。
また、アムリタの芸術監督のチェイ・チャンケトヤが教鞭をとるSecondary School of Fine Artsで、きたまりが伝統舞踊クラスの授業に参加する機会も得た。




  
チャンケトヤは、カンボジアのダンス界にとって「コンテンポラリー」とは、過去を現在に提示し、自己と他者の違いを認識するための様々な方法を探す旅路だと言う。
ポルポト政権下で壊滅的な被害を受けた伝統舞踊の再生を基盤に、今まさにこれからコンテンポラリーダンスの環境を作ろうとしているカンボジアから、わたしたち日本人もまた多くの刺激を受けるだろうと確信した旅となった。

2015年5月5日火曜日

プノンペン|フィードバック

コンテンポラリー・ダンス・プラットフォームの公演後に行われるフィードバックのワークショップが、 「Him Sophy School of Music」という音楽スタジオにて5月3日・4日の二日間にわたり行われた。ゲストは、ピチェ・クランチェンとソフリン・シャピロの二人。3組の振付家とダンサーたちが集まり、それぞれが作品のコンセプトをプレゼンし、ピチェやソフリンからのアドバイスをもとに試行したり、意見交換をしたり、振付家としての思考を深めることに重きを置かれたものである。
カンボジアでは、舞台技術が未発達なため、主催者としては作品をデベロップさせる技術的なアドバイスを期待していたようだ。しかしながら、ピチェが語った言葉の多くは、ダンスの世界に振付家として生きるということがどういうことか、そのために何を考えるべきか、というものであった。
本質的な問いに向き合い、自身の表現の核心を見つけ出していくことを後押しするこの試みは、本プロジェクトが生まれたダンス・コミュニティ・フォーラム「We dance」で行っていたワークショップ「試行と交換」に近い。かつてのSTスポットにおける「ラボ20」をも思い起こさせる貴重な体験となった。


2015年5月3日日曜日

プノンペン視察

5月2日、クアラルンプールからラングが帰国。きたまりと岡崎で、プノンペンに到着。当初予定がなかったのだが、シアターワークスのTay Tongから、ぜひ視察すべきと勧められたのが、プノンペンを拠点にコンテンポラリーダンスや演劇作品の創造と振興を手がけるNGO「アムリタ・パフォーミング・アーツ(Amrita Performing Arts)」 。「アムリタ」とはサンスクリットの「永遠」の言葉で、「どのような破壊にも屈せず継続するもの」という意味が込められており、クメール・ルージュ体制下で深刻な打撃を蒙ったカンボジアの文化を再興すべく2003年に設立。伝統を尊重しながらも、現代の視点で創作に取り組んでいる。今回はアムリタの若手振付家育成プログラムのショーケース「A  Contemporary Dance Platform(コンテンポラリー・ダンス・プラットフォーム)」があるとのことで、空港から直接劇場に向かう。

大都市シンガポールやクアラルンプールとは全く異なり、プノンペン町中は舗装されていない道路に大量のトゥクトゥクやバイクが行き交う。劇場は「Department of Performing Arts」という公共ホール。夕闇が迫る頃には、どこからともなく若い観客が集まってくる。本公演には、Yon Davy、Khon Chan Sithyka、Chumvan Sodhachivyの3組が新作を発表した。

このプログラムが若手支援をうたっているのは、これが公演のみならず、そのあとに著名なダンスアーティストがフィードバックのワークショップを開催するからである。今回のゲストは、タイの振付家ピチェ・クランチェン。舞台を一緒に見て、パーティーにも合流。そこで、アムリタの創設者であるフレッド・フランバーグさん(シンガポール在住)、2014年にアムリタ初の芸術監督に就任したChey Chankethyaさん、カンボジアのコンテンポラリーダンスの創始者であるSophiline Cheam Shapiroさんに出会う。思いがけず、コアなカンボジアダンスネットワークに飛び込んだ形になった。

2015年5月2日土曜日

マレーシア視察

シンガポールでの現地オーディションを終えて、多田さんはソウルへ、藤井さんは帰国。きたまりとラング、岡崎とでマレーシアのダンス状況の視察のため、クアラルンプールに向かう。

滞在はわずか3日。国際交流基金クアラルンプールの谷地田未緒さんに、コンテンポラリーダンスを推進する2つの民間劇場を紹介していただいた。
ひとつは、振付家・ダンサーでもあるWong Jyh Shyong (JS)が芸術監督を務めるDamansara Performing Arts Centre(DPAC)。もうひとつは、 Kuala Lumpur Performing Arts Centre(Klpac) 。マレーシアのダンス事情や取り巻く環境など貴重な話を伺うことができた。

初日はDPACにて演劇公演を鑑賞。2日目は、新拠点10周年を迎えたKlpacで若手ダンスショーケース「CHOREOGRPHERS」を鑑賞。建物は、国有鉄道の操車場をリニューアルしたユニークなもので、504席 (固定)と190席(可動)の劇場、100席のフリースペース、9つのスタジオ、ガラス張りの作業場などを備えている。1989年に劇団としてスタートしたアクターズ・スタジオが運営している。この劇場については、以下のサイトで詳細なインタビューが紹介されている。
http://performingarts.jp/J/pre_interview/1501/1.html

公演に参加していたのは、DPACの芸術監督のJSを始め、9組。驚いたことに、シンガポールオーディションに参加し、選考された2名のダンサーがそのうちの作品で踊っていた。マレーシアとシンガポールはダンサーレベルの交流があると言う。ダンスの傾向も共通しているように感じられたのも納得である。

3日には、 DPACの芸術監督のJSとの打ち合わせと会場を見せてもらった。ダンサーであるオーナーによってつくられたこの劇場には、200席(固定)と120席(可動)の劇場、2つのスタジオを備えている。自前のレジデンスカンパニー「DPAC Dance Company (DDC)」を持ち、ダンスレッスンを始め、ダンス企画、毎年国際ダンスフェス「D'MOTION」を開催するまさにダンス拠点である。

クアラルンプールではいくつも可能性を感じつつ、次のプノンペンへと向かう。







2015年5月1日金曜日

TheatreWorksのオーディションレポートがアップされました!

シアターワークスのブログにて、2015年4月27日〜29日に72-13で行われたオーディションのレポートがアップされました!


RE/PLAY Dance Edit Auditions at 72-13
April 30, 2015 · by TheatreWorksSg · in 72-13, TheatreWorks

This week, we held auditions for RE/PLAY Dance Edit, to be presented in February 2016, in collaboration with Offsite Dance Project. Directed by renowned Japanese theatre maker, Junnosuke Tada, RE/PLAY Dance Edit explores the intent and meaning of re-production through bodily repetition of physical movement. Through this audition, Junnosuke hopes to work with eight Singaporean and Japanese leading contemporary dance makers.

From 27 to 29 April, Junnosuke and his collaborator Kitamari met 25 auditionees at 72-13.
https://theatreworkssg.wordpress.com/2015/04/30/replay-dance-edit-auditions/

2015年4月29日水曜日

シンガポール|オーディション3日目

14時から再度の6名、18時から8名が参加。最終回には中国系、マレー系、インド系など多国籍シンガポールらしい個性派ぞろい。踊りのバリエーションがぐっと広がった感がある。

終了後に、2階のミーティングスペースで選考会議で、6名を選出。また、全体のバランスから日本人ダンサーの候補も決定した。みなさま、お疲れ様でした!

2016年2月に、2名の日本人ダンサーを加えて1週間のクリエーションを行い、同センターにて公演を行います。

明日から、次年度以降のリサーチのため、きたまりとラング、岡崎がマレーシアほか東南アジア諸国のダンス状況の視察に向かいます。


2015年4月28日火曜日

シンガポール|オーディション2日目

本日2日目、10名が参加。
まずは簡単な自己紹介のあと、「踊らない」という指示のもとでポーズと繰り返しの動きと倒れる動きを行う。その後に、オブラディオブラダ10回。
1回目に即興で動いたものを、2回目はできるだけ反復し、覚えていなことは更新していく。3回目はさらにそれを反復し、覚えてないことは更新、4回目はさらにそれを反復し、、、を10回繰り返す。前半7回目までは「踊らない」、後半8~10回目でそれまでに反復してきた動きを「踊り」にしていく。
最後に、Perfumeの「Spending all my time」で振付を作り、2時間が終了。


オーディションにおける演出指示は、「踊ってください」「踊らないでください」「踊らない所から踊りにしていって下さい」というものである。
この演出家の指示を通して、ダンサー各自がダンスに対して思考的な問いと、身体的な問いに向かい合うことになる。

シンガポールと日本のダンサーに大きな差異はあまりないように見えるが、明日最終日はどうだろうか。気になった人でスケジュールの合うダンサーは、明日の14時に来てもらうことになった。あと2回、楽しみだ。

2015年4月27日月曜日

シンガポール|オーディション1日目

2016年2月公演の出演者オーディションのため、多田淳之介さんはソウルから、きたまりさんは京都から、テクニカルのラングさん、映像ドキュメンテーションの藤井光さん、プロデューサーの岡崎は東京から、シンガポール・チャンギ国際空港に昨日到着。まずは、会場となる「72-13」に向かう。

72-13とは、世界的に活躍する当地の演出家オン・ケンセン率いるシアターワークス(TheatreWorks)の拠点劇場で、シンガポール川に程近いホテルやレストラン、高級マンションが立ち並ぶエリアにあり、建物所在地の番地がそのまま名称になっている。
もともと米穀倉庫だった建物をリノベーションして2005年にオープンした72-13は、1階にホワイエとメインシアターとなるSPACE2がある。約300㎡、天井高7.5m、キャパ250人の真っ白な平土間スペース。広い!
倉庫の面影を残す木製の階段をあがると、2階にミーティングスペースとしても使えるギャラリー、ロフト部分にシアターワークスの事務所がある。
無駄なものが一切ない、シンプルで美しく、アーティストが造ったアートスペースの見本といえよう。

スタッフとインド街で昼食をとり、18時からいよいよ1回目のオーディション。参加メンバーは8名、さまざまな出自のダンサーたちが集まった。シアターワークスのプロデューサー、Tay Tongの挨拶からいよいよ開始。基本的には横浜公演のオーディションと同様、ワークショップ形式のオーディションで本番で実施したパートの一部を踊ってもらう。この3日間、どのようなダンサーに会えるか、楽しみです!





2015年4月21日火曜日

国際共同制作『RE/PLAY(DANCE Edit.)』シンガポール公演/オーディション情報

TheatreWorks will be presenting RE / PLAY DANCE EDIT with Offsite Dance Project (Japan) in February 2016. Directed by renowned Japanese theatre maker, Junnosuke Tada, RE / PLAY DANCE EDIT explores the intent and meaning of re-production through bodily repetition of physical movement.

For TheatreWorks, Tada hopes to work with eight Singaporean and Japanese leading contemporary dance makers.

TheatreWorks is inviting interested dance makers to join us at an audition. Details are as follows:
Date: 27, 28, 29 April 2015, Monday, Tuesday, Wednesday (Participants to choose a preferred day)
Time: 7 – 9pm
Venue: 72-13, Mohamed Sultan Road, Singapore 239007
Rehearsal Dates: 11 – 16 February 2016
Performance Dates: 17 – 20 February 2016
Venue: 72-13, Mohamed Sultan Road, Singapore 239007.

Participants are requested to bring along their favourite pop music for the audition (in either CD / ipod), 2 photos and to dress comfortably for the auditions.

To register your interest in attending the audition, please email Natalie Lim at lnatlim@gmail.com and include the following details:
Name:
Age:
Contact number and email:
Dance Experience:
A short statement explaining why you are keen to be part of this performance.

For more information of Tada’s work, visit http://deathlock.specters.net/index.php?e=60

For any enquiries, feel free to contact TheatreWorks at +65-67377213

‪#‎TheatreWorksSG‬ ‪#‎REPLAY‬ ‪#‎AuditionCall‬ ‪#‎ComingSoon‬

2015年4月15日水曜日

国際共同制作『RE/PLAY(DANCE Edit.)』、2015年始動!

2012年の「We dance 京都」から始まった多田淳之介『再/生』のダンスバーション。2014年横浜公演を経て、2015年度からOffsite Dance ProjectとシンガポールのTheatreWorksとのco-productionで初の国際コラボレーションとして2016年2月に発表。日本と東南アジアのアーティストで、アジア各国にて上演を予定しています。
 

Activity 2015-2016
2015年4月27日(月)〜29日(水)/ワークショップ・オーディション
2016年2月17日(水)〜20日(土)/公演
会場:72-13(Mohammad Sultan Road Singapore 239007)
http://www.72-13.com

Credit 

演出:多田淳之介
振付・出演: きたまり、シンガポール・日本の振付家/ダンサー

テクニカル・ディレクター:ラング・クレイグヒル
照明:筆谷亮也
映像ドキュメンテーション:藤井 光
webデザイン:加藤和也
プロデューサー:Tay Tong、岡崎松恵
共同製作:TheatreWorks(シンガポール)、NPO法人Offsite Dance Project(日本)
助成:国際交流基金アジアセンター