2017年4月11日火曜日

京都公演にむけて:演出家からのメッセージ

『RE/PLAY Dance Edit』は、2012年に開催された「We dance京都2012」の「演劇とダンス/身体性の交換」というプログラムで京都のダンサー達と創った作品です。下敷きになっている『再/生』という演劇作品は、分断、断絶、繰り返せない生を取り扱った作品で、京都初演のクリエイションを経て「踊る/踊らない」という“Dance Edit”の核となる新たなボーダーが加わりました。

その後、関東のダンサー達と横浜で上演し、京都と横浜に参加したダンサーとシンガポールで現地ダンサーと一緒に上演し、さらに2017年3月、このメッセージを書いている今はカンボジアで日本人と現地のダンサー達とクリエイションの最中です。気が付けば演劇/ダンスというボーダーから始まったこの作品は、すっかりボーダーレスな上演を続ける作品になっていました。

演劇/ダンスというボーダーは今はほとんど意識していません。俳優と創るかダンサーと創るかの違いだけです。それは人を見せるのか身体を見せるのかの違いとも言えます。“Dance Edit”では人と身体の間を行き来する手段としてダンスがあります。そしてその構造、人だとか身体だとかを超えられるのもダンスだと思っています。クリエイションでは各自が自分の身体、ダンスと向き合い、振り付けも各自で考えてもらいます。ボーダーを無くすのではなく、ボーダーを抱えたままどこまでも行く作品です。

5年前の京都で、ダンサー達と身体について、ダンスについて試行錯誤を重ね、彼らの身体とダンスに魅了され生まれた作品を、再び京都で創れるのをとても楽しみにしています。そして今回の上演にも海外上演に参加した各国のダンサーが参加します。身体もバックグラウンドも私たちは違うという前提から、アジアの身体、ダンスを作りたいと思います。

多田淳之介(2017/3/19)

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